個人事業と法人の違いを勉強
木村です。今週のブログです。
自分の勉強のために、個人事業と法人(一般的な株式会社、合同会社を前提とします)の違いについてまとめながら勉強してみたいと思います。
1、手続きの違い
まず、開始時の手続きについて違いがありますね。個人事業主として事業を始める場合は、事業の開業届出等の書類を税務署や自治体に出せばよいですが、法人の場合は設立のために
出資をしたり、登記をしたり、比較的面倒臭いです。
2.お金の集め方、責任の違い
お金の集め方にも違いがあります。個人事業の場合、事業主個人として借金をする方法が一般的なのに対して、株式会社や合同会社では、株式を発行したり社員を増やすなどの方法もとれます。また、お金の面で言えば、事業で負債を負った時の責任にも違いがあります。法人の場合、株式会社の株主、合同会社の社員は出資の範囲内で責任をとればよいですが、個人事業主の場合は全ての債務を負う必要があります(無限責任)。これを踏まえると、法人のほうが資金を集めやすい、事業を拡大しやすいということがわかります。
3.経費の違い
経費として認められる費用についても違いがあります。
・役員給与
役員給与は、個人事業では経費になりません(自分が自分に対して給与を払えない)が、法人では経費として扱われます。家族に働いてもらう場合についても、個人事業であれば事前に届け出が必要になります。
・住居費
個人事業でも法人でも、居住部分についての賃料は経費処理できませんが、法人の場合、「社宅」として居住部分について経費計上できる可能性があります。
4.税金の違い
周知の事実ですが、税金にも違いがあります。
個人事業主の場合、所得に対する税金として所得税、個人住民税、個人事業税が課されます。
・所得税
1年間の全ての所得から所得控除を引いた課税所得に、所得ごとに定めれらた税率を乗じて算出。
・個人住民税
前年の1月1日から12月31日までの一年間の所得に対して、一律10パーセントを乗じて課される。
・個人事業税
前年の所得税の計算結果に一定の調整を加え、業種によって異なる税率(3~5パーセント)を乗じて課される。
法人の場合、法人税、法人住民税(+地方法人税)、法人事業税(+地方法人特別税)が課されます。
・法人税(+地方法人税)
法人の所得に対しての税金で、個人の所得税とは異なり、法人ごとの適正な機関で承認を受けた決算書に基づいて計算、課税される。また、税源の地域格差の是正を目的として、地方法人税もかかる(法人税の申告納付と同時に行う。)
・法人住民税
所得に応じて算定される法人税割と、所得に関係なく算定される均等割で構成されている。
→つまり、収入がなくとも法人があるというだけで課税されてしまう。
・法人事業税(+地方法人特別税)
都道府県から課される税金で、法人税法上の所得金額をもとに算出される所得割と、資本金が1億円以上の大きな法人のみに化される外形標準課税で構成される。また、暫定的な制度であるが、地方法人特別税も課され、法人税の申告納付と同時に行う。
5.結局どちらが得なのか
結局、現在個人事業を行っている方は、法人化する(法人成り)メリットデメリットはなんなのでしょうか。
法人成りメリット ・経費として扱うことができる対象が増える ・給与所得の控除を受けられる(給与所得に関する税金、所得税や住民税が安くなる) →個人事業では、収益から経費を引いた利益に対して所得税がかかるが、法人の場合、これを役員給与と扱うことで給与所得の控除を受けられる ・消費税の納税義務が2年間免除(法人なりによって、消費税の計算対象の「2年前」の売上高が観念できなくなる。) 法人成りデメリット ・会社があるだけで法人住民税がかかる(赤字でもかかる) ・社会保険料の負担がある ・確定申告などの手続きが難しくなる |
以上を踏まえ、税制面に限って言えば、一般的に、「個人事業主の所得金額(=収入金額-必要経費)が400万円以上、または、売上高が1000万円以上ある場合」に、法人化したほうがお得といわれているようです。