「解体工事業」について
今日は最近よく手続きをさせて頂いている、新設された「解体工事業」についてお話させて頂きたいと思います。
これまではとび・土工工事業の許可を受けていれば解体工事を実施することが可能でした。
しかし高度経済成長期以降に集中的に整備された施設等の老朽化が進み、その維持管理・更新が重要な課題であることを背景に、重大な公衆災害発生・環境等の視点・建築物等の老朽化等に対応した適正な施工体制を確保する為、建設業等の一部を改正する法律が公布され、「解体工事業」が新設されることとなりました。
この改正において、解体工事の事故を防ぎ、工事の質を確保するため、必要な実務経験や資格のある技術者を配置すべきことが定められています。
また新設に伴い、いくつかの経過措置が設けられています。
①とび・土工工事業の許可業者について
平成28年6月1日の改正法施工日において、とび・土工工事業の許可を受けて解体工事業を営んでいる建設業者は、引き続き2019年5月末までは、解体工事業の許可を受けずに解体工事を施工することができます。
⇒これまでとび・土工工事業許可で解体工事を施行し、2019年6月1日以降も解体工事を施工される場合は、2019年5月末までに「解体工事業」の許可を取得する必要があります。
②経営業務の管理責任者について
平成28年6月1日の改正法施工日前のとび・土工工事業に係わる経営業務の管理責任者としての経験は、解体工事業に係る経営業務管理責任者の経験とみなされます。
③一般建設業の専任技術者(主任技術者)について
解体工事の技術者要件は下記の通りですが、2021年3月31日までの間は、とび・土
工工事業の技術者(法施工平成28年6月1日時点で要件を満たしている方のみ)も
解体工事業の技術者とみなされます。
【解体工事業の技術者要件】
・監理技術者の資格のいずれか
・2級土木施工管理技士(土木)
・2級建築施工管理技士(建築又は躯体)
・とび技能士(1級)
・とび技能士(2級)合格後、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する
・建設リサイクル法の登録試験である解体工事施工技士
・大卒(指定学科)3年以上、高卒(指定学科)5年以上、その他10年以上の実務経験
・土木工事業及び解体工事工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する
者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
・建築工事業及び解体工事工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する
者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
・とび・土工工事業及解体工事工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有
する者のうち、解体工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者
つまり現在のとび・土工工事業の専任技術者のうち、「解体工事業」の専任技術者に
なれる場合とそうでない場合があるということになります。
⇒現在の「とび・土工工事業」の専任技術者が「解体工事業」についても専任技術者になることができる場合は、2019年5月末までに業種追加で「解体工事業」を加え、更に2021年3月31日までに該当技術者が両方の専任技術者を兼ねる手続きをする必要があります。※1
⇒現在の「とび・土工工事業」の専任技術者が「解体工事業」について専任技術者になることができない場合は、2019年5月末までに業種追加で「解体工事業」を加え、更に2021年3月31日までに「解体工事業」の専任技術者を準備する必要があります。
※1申請には「解体工事の1年以上の実務経験の証明」(目的物は家屋)が必要です。
今年も残り僅かとなりました。
来年5月末までに「解体工事業」の業種追加を検討されている場合は、是非お早目にお申しつけ下さいませ。