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在留資格制度の改正について:特定技能

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こんにちは、木村です。今週のブログを書きます。

 

今週に入って急に寒くなりましたね。朝、出社時にタンブラーに入れるコーヒーのおいしいことおいしいこと。バスの待ち時間で、ちびちび飲みながら通勤してます。

 

さて、今日は在留資格について書きます。というのも、外国人労働者の受け入れ拡大に向けて、新しい在留資格を設ける出入国管理法改正案が国会で審議入りしたためです。自身の勉強もかねて、今日はこれについて書きたいと思います。

 

新しい在留資格

現在の日本のシステムでは、日本で活動しようとする外国人の方は、入管法に定められている「在留資格」を与えられて、日本に在留することになります。在留資格は現時点で28種類ありますが、いずれの在留資格でも、単純労働のみを目的として取得することはできません。

 

一方で、日本の労働者不足が近年問題となっています。

そこで!この問題を解決するために、現在、一部の業種での単純労働を含めた就労を認めるための在留資格を新設しようとしているのです。それが、「特定技能」です。

 

実は、現在の制度でも似たような名前である「特定活動」という在留資格があります。これは、インターンシップやワーキングホリデー、はたまたアマチュアスポーツ選手など、他の在留資格に該当しないような方々について、法務大臣が告示で定める在留資格で、今回の「特定技能」とは別物です。紛らわしいですね。

 

特定技能の種類

特定技能は、「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つに分けられるようです。前者は相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格であり、後者はより熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格とされています。

これらの現時点の比較は、以下の図のとおりです。いずれも、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有することが原則となります。特筆すべき点はやはり単純労働も可能ということでしょうか。これまでの方針の大転換ですし、よっぽど人手不足なんですね。

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特定技能の取得

特定技能を取得するためには試験を受ける必要があります。既述のとおり、特定技能には一定の日本語能力が必要であり、また、当然のことながらその業種についての技能も有してなければならないため、これらを証明するためです。

内容は現時点で不明ですが、入国管理局の資料によると、日本語能力については、受入れ分野ごとに業務上必要な能力水準を考慮して定める試験等によって確認し、(つまり、受け入れ業種ごとに基準が定められるようです)、技能レベルについては業所管省庁が定める試験等によって確認する予定のようです。

 

ただ、技能実習2号を修了した外国人の方については、これらの試験等を免除するとされているため、比較的手間なく特定技能の資格を取得できるものと思われます。

ここでの「技能実習」というのも紛らわしい言葉ですが、これも在留資格のひとつで、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的とした制度です。

日本で技術などを勉強して母国に持ち帰ろう!というイメージです。この技能実習には1、2、3号とランクが定められており、入国2、3年目の技能等に習熟した方々が2号にあたります(ちなみに、1号は修得、3号は熟達)。技能実習で学んで“習熟”したら、技能があることは分かっているから特定技能に変更する際の試験は免除しますよ!ということでしょうか。

 

これらの関係は以下の図の通りです。

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なお、許可された活動の範囲内であれば、転職をすることも可能とされるようです。

 

受入機関

外国人の方を受け入れる機関についても、一定の条件が求められるようです。

まずは、外国人の方への支援です。

「特定技能1号」の外国人に対し、受入れ機関又は登録支援機関において、我が国での活動を安定的・円滑に行うことができるようにするための日常生活上、職業生活上又は社会生活上の支援を行うものとされています。

また、受入れ機関は、外国人との間で所要の基準に適合した契約を締結(原則として直接雇用、分野の特性によっては派遣形態も可能)するとともに、当該契約の適正な履行等が確保されるための所要の基準を満たさなければならないとの条件もあります。

ほかにも、労働関係法令・社会保険関係法令の遵守や、欠格事由に該当しないこと等が求められます(いずれも入国管理局資料より)。

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とりあえず、現時点ではこんなものでしょうか。

最近では、夕方のニュースなどでも日本で働く外国人の方々が特集されていますし、この在留資格は世間的にもかなり話題になっていますね。

 

これから徐々に詳細が明らかになってくると思われます。

弊社では中国、フィリピン、ベトナム国籍の方の在留資格の申請については非常に多く取り扱わせていただいております。

ご相談も随時お受けしておりますので、お気軽にご連絡いただければと思います。

 

(参考:新たな外国人材の受入れに関する在留資格「特定技能」の創設について/入国管理局)